西日本新聞 [2008年5月19日]に紹介

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 東日本大震災で被災した障害者を支援しようと、国内のダウン症患者で初めて4年制大学を卒業
した霧島市の岩元綾さん(37)が講演料や自身の半生をつづった著書の印税などを義援金として
送る活動を行っている。岩元さんは「障害者は被災地で取り残されがち。少しでも力になりたい」
と語る。
 岩元さんは鹿児島市生まれ。生後すぐに21番染色体が1本多い異常によって起こるダウン症と診
断された。発達の遅れや内臓疾患を伴うことが多く、岩元さんも心臓などに合併症を抱えながら
小中高と普通学級に通い、1998年に鹿児島女子大(現・志学館大)の課程を修了した。

「被災された方々の気持ちに
寄り添いたい」と話す岩元さん

 卒業後は同大聴講生として英語などを学びながら「21番目のやさしさにーダウン症のわたしからー」や翻訳した
カナダの絵本「スマッジがいるから」を出版。ダウン症患者や家族を励まそうと国内外で100回以上の講演を重ね、
東北の患者とも交流を続けてきた。

 
自宅で英語の児童向け絵本の翻訳をしていた3月11日、テレビで津波に街がのみ込まれていく様子を見た。福島県
の知人の中には1か月近くも連絡が取れなかった人もおり、「健康な人でも避難生活はつらいはず。ダウン症や、障
害を持った人たちはどんなに大変だろうか」と心が締め付けられたという。
 「少しでも自分にできることはないか」。震災後に行われた講演会の出演料を被災地に送金。出版部数が2万5000
冊に上る著書や翻訳本の印税の一部を送る準備を進めている。
 さらに講演会で、来場者に被災地支援を訴えているほか自身のホームページ「夢紡ぐ綾」でもJDS(日本ダウン症
協会)−事務局・東京都ーを通じた義援金の協力を呼びかけている。
 「私が周囲に見守られて前に進めたように、『多くの人々の心が皆さんに寄り添っています』と被災者に伝えた
い」と岩元さん。日本ダウン症協会は「障害を持つ人やその家族は金銭的、精神的に余裕がない場合も少なくない。
支援は本当にありがたい」と感謝している。(大原一郎)

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朝日新聞[2008年6月28日]に紹介

読売新聞{2011・7月14日}に紹介

「被災障害者の力になりたい」

ダウン症女性が支援活動

 

新聞記事 No.2