霧島ジオパークについて

霧島ジオパークの魅力

島をドライブしていると、しばしば深い霧があたり一帯にたちこめていることがあります。もともと「霧島」の名は山の周囲が霧の深い地域であることに由来し、遠方から眺めたときにまるで霧の中に浮かぶ島のように見えるためとする説があります。つまり、景色をつつみ隠す霧も霧島の魅力ある一面なのかもしれません。そんな謎めいた雰囲気をかもし出す霧島とはいったいどのような場所なのでしょうか?


雲海に浮かぶ霧島(矢岳高原より)

霧に包まれる霧島の森(大浪池)

山が連なる南九州は、大地の大部分を火山噴出物でおおわれていると言っても言い過ぎではありません。その一角を占める霧島の特徴は、カルデラを形成した巨大噴火の噴出物と20を超える霧島の火山が複雑におり重なることにあります。そこに豊富な天水が加わることで、たくさんの火口湖や滝、渓谷などの美しい風景がつくり出されているのです。また、2011年の新燃岳の噴火が示したように、火山活動による植生の破壊とその後の移り変わりを観察できるのも霧島の魅力のひとつです。


空から見た霧島火山群

紅葉の大浪池

豊かな森から山肌が露出する山岳地域まで幅広い環境を持つ霧島は、多種多様な動植物を育むフィールドです。霧島には山岳地域と山麓に標高差(最高点1,700m)があるために垂直方向に環境が変わるのが特徴で、温暖な南九州にあるにもかかわらず冬には雪をかぶった山の景色を楽しむことができます。また、山岳地域に見られるブナやミズナラ等は本来寒冷地にしか生育できない植物で、かつて地球全体が現在より寒かった時代(氷期)の生き残りと考えられています。このように、地形的な特性と地球規模の気候変動が現在の霧島の環境や植生に多様性をもたらしています。


満開のミヤマキリシマと新燃岳の軽石
(中岳中腹探勝路)

えびの高原のノカイドウ。

孫降臨の舞台として知られる高千穂峰は、その美しい山容から霧島のシンボルとして古くから麓の人々に親しまれてきました。その周囲を取り囲むように築かれた霧島六社権現は、火山噴火の影響を受けるたびに場所を変えてきた歴史を持っています。このような山岳信仰と火山噴火にまつわるさまざまな神事や祭事は現代にも受け継がれ、人々の生活の一部として地域に根付いています。幕末の志士・坂本龍馬も登山を楽しんだ霧島には、神話や歴史に関わるエピソードもたくさんつまっているのです。


天孫降臨御神火祭

霧島神宮

が霧島地域に住み始めたのは少なくとも2万年前と考えられています。以降、人は火山噴火の脅威に幾度となくさらされてきましたが、一方ではその恩恵を受けて暮らしてきました。火山の麓にわき出す豊かな水、多くの観光客を集める温泉、稲作に適したカルデラ地形、茶畑や空港に活用されるシラス台地など、これらは私たちの生活や産業に欠かすことのできないものです。この他にも自然とのつながりを感じられるものが霧島にはたくさんあります。ジオパークとは地域の自然と人間の関係を見つめなおし、その新たな可能性を探る場所と言えるのかもしれません。


加久藤盆地の田園地帯と霧島

シラス台地の上に作られた茶畑と霧島(霧島市溝辺)


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