霧島ジオパークについて

霧島ジオパークは、宮崎県と鹿児島県にまたがる北西-南東方向に長い30km × 20kmの範囲に分布する20あまりの火山のあつまりである霧島山を中心とした地域にあります。ここでは、有史以前から歴史時代を経て現在に至る火山活動の歴史とそれとともに育まれた自然の多様性、そこに暮らす人々の歴史・文化を体感することができます。

霧島ジオパークエリア

霧島ジオパークでは、加久藤カルデラとその南縁に成長した霧島山がつくった風景を楽しむことができます。これらを囲むように引かれているJR肥薩線、吉都線、日豊本線の内側を霧島ジオパークのエリアとして設定しています。エリア内には、起伏の激しい山々が折り重なる山岳地域やその麓に広がる平坦な盆地、切り立つ崖に刻まれた深い渓谷などの多様な地形がみられ、宮崎県(都城市、高原町、小林市、えびの市)、鹿児島県(霧島市、曽於市、湧水町)にまたがりその面積約2,600㎢の範囲の中に約42万人の人々が暮らしています。

霧島ジオパークのテーマ

~自然の多様性とそれを育む火山活動~

1.霧島山の火山活動

霧島山は約34万年前に破局的噴火によってできた加久藤カルデラの南縁に、その後の数十万年の火山活動でつくられた火山群の総称です。

霧島山をはじめとする南九州の火山は、南北に伸びる火山列となっており、韓国岳などの山頂からは南に姶良カルデラ・桜島・開聞岳などの火山を一直線上に見ることができます。この火山列は九州の東に走る南海トラフと平行に延びており、霧島山はプレートの沈み込み帯での火山のなりたちを直接目で見て、学ぶことができる場所なのです。

霧島山は加久藤カルデラの形成後、約20万年前から現在まで活動が続いている日本でも有数の活火山です。その火山活動は20㎞×30㎞という狭い地域の中に、20あまりの火山と火口湖がひしめき合うようにつくられています。南九州の火山列の景観に加え、火山群の地形という雄大な景観がここにはあるのです。

霧島の火山はその噴火活動の状態によりさまざまな山の形をつくりあげました。

南九州に1000mを超える山々として形成された霧島山は、その名前のごとく降水量が多く豊富な地下水を湛えています。霧島山に新燃岳をはじめとして、その山体と比較すると大きな直径をもつ火山や火口湖が多いのは、マグマが地表に上昇する過程で、この地下水と接触したマグマ水蒸気噴火が過去繰り返され、その爆発力で大きな火口が開いたと推察されます。

また、高千穂峰のような鋭角的なシルエットを持った成層火山、韓国岳のような火砕丘など、噴火の形態や溶岩の性質によって多様な火山地形がここでつくられています。加えて、霧島山の母とも言える加久藤カルデラからの火砕流堆積物は、多くの滝や渓谷を形づくっており、霧島は多様な火山地形や噴出物を観察することができるフィールドです。

2.植物の多様性の理由

霧島の山の多くは標高1000mを超える高さを持ち、えびの高原あたりは南東北地方と同様な平均気温です。また、20あまりの霧島山の中で、約1万5千年前までに噴火・形成された火山では、高地であることとあいまって氷期時代に南九州まで進出していたブナやミズナラ、モミ・ツガなどの群生が生き残りました。霧島では低地の照葉樹林、高地での落葉樹・針葉樹、森林限界付近でのミヤマキリシマなど植物の垂直分布が観察できます。

 一方では、噴火により火山周辺がすべて焼き払われ、裸地からススキ・ミヤマキリシマの群生、アカマツ林などそれぞれの火山の噴火史によって遷移の段階が異なり、多様な植物相を呈しています。また、国指定天然記念物であるノカイドウ自生地は、かつて水が豊富な山間盆地であったえびの高原に、韓国岳の爆裂火口からの土砂や周辺火山の噴出物が流入してできた湿地帯です。

 霧島には植物が1300種の植物が生育しているといわれております。これは南九州の湿潤な気候のこの位置に、偶然にも1000mを超えて、かつ形成された時代が異なる火山がいくつもそびえ、今もなお火山活動が続いていることにより多様性が保持されているのです。