新着情報

【えびの高原の火山活動に関する最新情報】
【5/9:火口から火山灰の噴出が確認されました】
【5/9:噴火警戒レベルが2に引き上げられました】

2017.5.16(最終更新日)

上空から見たえびの高原。写真中央やや左の白い頂上部を持つ高まりが硫黄山。

 このページでは、えびの高原の火山活動に関する最新情報について解説します。1961年まで硫黄採掘が行われるなど活発な噴気活動が見られたものの、1990年代以降は衰えて噴気が途絶えていたえびの高原。その硫黄山周辺では、2013年末ごろから火山性地震が増加し、また隆起を伴う火山性微動も時折発生するなど、火山活動が活発化した状態が続いています。2015年12月には、10数年ぶりに噴気活動が再開し、土砂の噴出を伴うなど現在も活発に継続しています。えびの高原周辺にお越しの際はこのような火山活動の状況や推移に十分に注意してください。


1.えびの高原周辺の火山活動の現状

1-1.気象庁による発表
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)噴火警報【5月15日16時00分】(福岡管区気象台・鹿児島地方気象台)
→以下、気象庁による発表事項の写しです。

(見出し)
<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>  
 5月12日から5月15日15時までの霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の活動状況をお知らせします。

(本文)
1.火山活動の状況及び予報警報事項
 4月25日11時頃から硫黄山南西観測点の傾斜計では、硫黄山付近が隆 起する傾斜変動が繰り返しみられています。監視カメラによる観測では、5月13日に噴気が稜線上で80mまで上がるなど、活発な噴気活動が続いています。火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていま せん。
 5月12日からの火山性地震、火山性微動の発生回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。

              火山性地震  火山性微動
    5月12日        2回     0回
      13日        2回     0回
      14日        3回     0回
      15日15時まで   0回     0回

 監視カメラや現地調査では、長期的に熱異常域の拡大や噴気量の増加が認められます。えびの高原(硫黄山)周辺では、火山活動が高まっており、今後、小規模な噴火が発生するおそれがあります。

2.防災上の警戒事項等
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき)に注意してください。次の火山の状況に関する解説情報は、19日(金)16時頃に発表の予定です。なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。

さらに詳しい火山解説資料はこちら↓
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の火山活動解説資料【5月12日11時40分】(気象庁)

1-2.2017年の霧島山硫黄山火口周辺の火山活動(東京大学地震研究所)
 詳細はこちらのリンクをご参照ください。

1-3.霧島山周辺の地殻変動(国土地理院)
 詳細はこちらのリンクをご参照ください。

1-4.霧島えびの高原硫黄山観測情報(東海大学・大場研究室)
 詳細はこちらのリンクをご参照ください。


2.霧島ジオパークによる観察記録


▲韓国岳登山道(噴気が最も激しいところから直線距離で約300m地点:2017/5/9以降立入禁止の場所)から撮影した硫黄山。
 左:2017年4月30日、右:2016年2月5日にそれぞれ撮影。


▲勢いよくガスを噴き上げる噴気孔(上の写真と同じ場所から撮影)。
 ジェット機のエンジン音のような「ゴォーー」という大きな音がします。

★噴気の動画をYouTubeにアップロードしました。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/G3-cG8qaos0

3.えびの高原周辺の立入規制の状況
 以下の図の範囲において、えびの市による立入規制が行われています。また、宮崎県により、登山道の一部が通行禁止となりました。。

▲立入規制区域全体図。赤色の破線の内側が立入禁止範囲。赤色の太い実線が通行禁止の登山道。(えびの市HPより引用)


▲上の図の一部の詳細。えびのエコミュージアムセンターは利用できます。(えびの市HPより引用)


▲県道1号線の規制範囲。(えびの市HPより引用)

詳しくは、えびの市のホームページを参照してください。
噴火警報発表に伴うえびの高原(硫黄山)周辺の規制等について(えびの市)


4.えびの高原の火山活動史について
 えびの高原周辺には、円形の火口がいくつも点在しています。最近(約9,000年前の不動池溶岩の噴出以降)のえびの高原では、大きな火口をつくるような爆発的な噴火が、噴火のたびに火口の位置を変えながら繰り返されてきました。多数の火口湖の存在が示すように、えびの高原では地下の浅いところに豊富な地下水の層が存在することから、噴火の際にマグマと地下水が接触してマグマ水蒸気爆発を生じることが多いのが特徴です。

  1. サイズの大きな図はこちら
  2. 参考文献:田島靖久・松尾雄一・庄司達弥・小林哲夫(2014) 霧島火山,えびの高原周辺における最近15,000年間の活動史.火山,59,55-75.

 えびの高原の噴気活動の昭和時代以降の推移については以下の舟崎ほか(2017)の付録の図が参考になります。これによれば、噴気活動も時間と共に場所を変えながら推移してきたことが分かります。
参考文献:舟崎淳・下村雅直・黒木親敏(2017) 霧島連山えびの高原,硫黄山の明治時代以降の地熱活動資料.験震時報,80,1-11.

  1. えびの高原の噴気について【2016年2月20日】(togetter)
    →霧島ジオパーク顧問で火山学者の井村隆介准教授(@tigers_1964)の見解です。


  2. 5.硫黄山の噴気活動について

     硫黄山で観測されている硫化水素ガスは毒性の強い無色の気体です。硫化水素ガスは空気よりも比重が大きいため、地形的に低いところにたまりやすい性質があります。風のない日などはとくに注意が必要です。
    硫黄山周辺の火山ガス濃度測定結果(宮崎県)
    →宮崎県が毎週3回10か所で測定している硫化水素と二酸化硫黄の濃度です。県道沿いのM1、M8地点は高い硫化水素濃度が観測されています。
    火山ガスと防災/東工大火山流体研究センター・平林順一(日本火山学会第9回公開講座)
    →火山ガスの種類・性質・事故の事例などが詳しくまとめられています。


    6.関連リンク
    鹿児島地方気象台
    宮崎地方気象台
    えびのエコミュージアムセンター
    宮崎県
    えびの市
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