新着情報


霧島火山に関する情報

最終更新日:2019.03.07

◆最新情報

2019年2月25日 14:00 新燃岳の噴火警戒レベル1→2に引き上げ(気象庁)
             新燃岳火口中心から2kmの範囲を立入禁止に(霧島市,小林市)
             大幡山~獅子戸岳間の登山道を立入禁止に(小林市)

◆主な火山の状況(気象庁サイトへのリンク)
 新燃岳          :噴火警戒レベル2(火口周辺規制)
 えびの高原(硫黄山)周辺 :噴火警戒レベル2(火口周辺規制)
 御鉢           :噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)

◆立入規制範囲

 霧島山の規制図(小林市ホームページより)

★登山道の規制
 ・新燃岳の火口中心から2kmの範囲と、新燃岳に通じるすべての登山道が立入禁止になっています。
  - ただし、韓国岳山頂、大幡山山頂、中岳中腹探勝路までは行くことができます。
 ・えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲と、硫黄山に通じるすべての登山道が立入禁止になっています。
  - 池めぐり探勝路は六観音御池まで行くことができます。不動池には行けません。
  - 韓国岳には大浪池経由で登ることができます。硫黄山を経由するルートは利用できません。
  - 甑岳には白鳥温泉下湯を起点とするルートで行くことができます。池めぐり探勝路経由では行くことができません。
 ★道路の規制
 ・えびの高原三叉路~えびの高原北展望所までの間の車道は全車両通行止めとなっています。
 ・えびの高原北展望所~小林市環野料金所跡までの間の車道は大型車のみ通行止めとなっています。
  - えびの高原から小林市街地方面に直接(県道1号線で)下りることはできません。
  - 一方で、えびの高原からえびの市街地方面および霧島市方面に下りることはできます。
 ⇒詳しくはこちら(小林市ホームページ)

◆霧島山の地形と位置関係
 地理院地図(国土地理院)
 ⇒霧島山の地形や位置関係が分かります。距離の計測もできます。

◆ライブカメラ
 火山監視カメラ画像(気象庁,地図右側でカメラ選択ができます)
 大浪池から見た霧島山(鹿児島県姶良・伊佐地域振興局)
 ⇒現在の霧島山のようすを見ることができます。。

◆霧島上空の風向き

 霧島上空の風予想(MRT宮崎放送)
 ⇒
噴火した際の噴煙の流れる方向の目安になります。上空1500m、3000mの2種類の予想があります。

◆霧島山の天気予報
 えびの高原の天気(てんきとくらす)
 高千穂峰の天気(てんきとくらす)
 ⇒
山の天気予報サイトです。ただし、山の天候は急に変化することがあります。

◆ハザードマップ
 霧島火山防災マップ(環霧島会議)
 ⇒
霧島山の各火山の火口において規模が大きな噴火が起こった場合の災害予測区域が書かれています。

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より詳細な情報


図1.白鳥山上空から見た霧島の山々(写真左側が北,2011年3月撮影)

1.はじめに

霧島山は20を超える数の火山が折り重なってできており、そのうちいくつかの火口は現在も活動を続けています(図1)。活発な火山活動の繰り返しによって日々刻々と姿を変える環境を見ることができるのは、霧島山の大きな魅力のひとつです。その一方で、場所によっては火口のそばまで近づくこともできてしまうために、その観察には十分な準備と心構えが必要になります。霧島山周辺にお越しの際は、霧島山が活火山であることに留意し、最新の火山情報の事前確認をお願いします。


★霧島ジオパークFacebookページ
⇒こちらでも霧島火山に関する情報を発信しています。Facebookアカウントをお持ちでなくても見られます。

★噴火から身を守るために
⇒まずはこちらをご覧ください。

★子どもたちへのメッセージ【PDFファイル:171KB】
⇒霧島山の近くにいる人も、離れたところに住んでいる人も。そして、おとなも子どもも。


2.最近の霧島山の火山活動

現在の地表に見られる(私たちが普段目にしている)霧島の山々は、約30万年前以降から続く火山活動の繰り返しによって成長してきたものです[1]。麓の周辺に人が住みはじめてからも頻繁に噴火したことが記録に残されている霧島山ですが、最近100年間に目を向けると、明治~大正時代の御鉢火山の活発な活動[2]が終了した後、1959年の水蒸気爆発[3]と1991~1992年の新燃岳の小活動[4]を除けば、長らく静穏な時期が続いてきました。しかし、2008年の新燃岳の噴火以降、霧島山では新燃岳において噴火が相次いでいるほか(図2)、えびの高原でも火山活動の活発化がみられています。

図2.新燃岳2011年1月26日の噴火。新湯温泉付近(火口中心から約3kmの距離)から撮影。

 国土地理院は人工衛星による観測で霧島山を挟んだ複数の2点間の距離を毎日測定しています[5]。この距離が伸びるということは山がふくらんでいることを示し、つまりは火山の地下にマグマが蓄積されていることが示唆されます。その逆に、この距離が縮まると、山がしぼむ、つまりはマグマがどこかへ出ていく(噴火でマグマが外に出る、あるいはマグマが地下深くに後退する)ということになります。その目で下のグラフ(図3)を見ると、霧島山では噴火によるマグマの大量噴出(2011年1月の軽石および溶岩噴出,2018年3月の溶岩噴出)に伴う急激な縮みが認められる一方で、それらの後も伸びが継続していることが分かります(2016年4月の縮みは熊本地震による影響だと考えられます)。つまり、マグマが火山の地下に蓄積され続けていることが示唆されることから、今後も噴火が続くことも十分に考えられます。

図3.国土地理院によるえびのー牧園間のGNNS連続観測結果の抜粋(2019年1月28日まで)
⇒測定地点および詳細なデータは国土地理院のサイトを参照してください。

 現在、霧島山の中ではっきりとした火山活動が認められる火山は以下のとおりです。

(1)新燃岳
 2008年[6]と2010年に水蒸気爆発を繰り返した新燃岳は、2011年におよそ300年ぶりとなる本格的なマグマ噴火を起こしました(図2)[7]。このときの噴火では、大量の軽石が火口の東~南東側の高原町・都城市方面を中心にに降り積もり、地域住民の生活や産業に大きな影響が出ました。その後しばらく停滞した後、新燃岳は2017年と2018年にも噴火を繰り返しました[8][9]。現在のところ、2018年6月28日の噴火が最後となっています。

(2)えびの高原
 えびの高原では、1990年代後半にいったん途切れていた噴気活動が2015年12月に再開・活発化し、2018年4月に硫黄山の南側と西側の2か所において相次いで小規模な噴火が起こりました[9]。その後、噴火は発生していませんが、引き続き活発な噴気活動が続いています。

(3)御鉢
 御鉢火山では、2003年に火山性地震が急増し、火口内の噴気孔周辺で泥の噴出が確認されました[2]。その後は噴気以外の目立った変化は見られませんでしたが、時おり火山性地震の急増や火山性微動の発生が報告されています[9]

(4)その他
 大幡池では湖底からの火山ガスの噴出が継続しています。


3.文献

[1] 井村隆介, 1994, 霧島火山の地質. 地震研究所彙報, 69, 189-209. [LINK]
[2] 筒井正明・富田克利・小林哲夫, 2005, 霧島・御鉢火山における2003年12月以降の噴気活動と明治~大正時代の火山活動. 火山, 50, 475-489. [LINK]
[3] 種子田定勝・松本征夫, 1959, 霧島火山新燃岳1959年2月の爆発. 地質学雑誌, 65, 703-704. [LINK]
[4] 井村隆介, 1992, 霧島火山群新燃岳1991~92年の小活動. 火山, 37, 281-283. [LINK]
[5] 国土地理院, 霧島山周辺のGNSS連続観測結果(URL: http://www.gsi.go.jp/BOUSAI/kirishima_kisen.html). [LINK]
[6] 下司信夫・宝田晋治・筒井正明・森 健彦・小林哲夫, 2010, 霧島火山新燃岳2008年8月22日噴火の噴出物. 火山, 55, 53-64. [LINK]
[7] Nakada, S., Nagai, M., Kaneko, T., Suzuki, Y. and Maeno, F., 2013, The outline of the 2011 eruption at Shinmoe-dake (Kirishima), Japan. Earth Planets Space, 65, 475-488. [LINK]
[8] 鹿児島地方気象台・福岡管区気象台地域火山監視警報センター, 2018, 霧島山の火山活動ー2017年9月~2018年1月31日ー. 火山噴火予知連絡会会報, 129, 249-306. [LINK]
[9] 鹿児島地方気象台・福岡管区気象台地域火山監視警報センター, 2018, 霧島山の火山活動ー2018年2月~2018年5月31日ー. 火山噴火予知連絡会会報, 130, 213-284. [LINK]

4.その他、お役立ちサイト

(1)霧島山についての基礎知識を深める
 (a) 井村隆介・小林哲夫, 2001, 霧島火山地質図. 火山地質図11, 地質調査所. [LINK]
 ⇒霧島火山の地質図を閲覧できます。霧島火山の活動の歴史も詳しく書かれています。内容は専門的です。
 (b) 及川輝樹ほか, 2013, 霧島火山ーボラ(軽石)が降ってきた!新燃岳の噴火とその恵みー(第3回火山巡回展). 地質調査総合センター研究資料集, 578. [LINK]
 ⇒新燃岳の2011年の噴火の経緯のほか、御鉢火山や新燃岳の江戸時代の噴火についての記述も豊富です。内容は一般向け~やや専門的です。
 (c) 井村隆介・石川 徹, 2014, 霧島ジオパークと2011年霧島山新燃岳噴火. 地質学雑誌, 120(補遺), S155-S164. [LINK]
 ⇒2014年の日本地質学会の巡検案内書です。新燃岳の2011年の噴火や霧島ジオパークの見どころについて書かれています。内容は一般向け~やや専門的です。