霧島市メディアセンター

霧島山とは
位置と地形
成り立ち
おもな山々
地質
植生
湧水・温泉
霧島ジオパーク
霧島登山
参考文献
用語集
リンク集

霧島市公式ホームページ


用語集

はじめに  このWebページで大切な用語を解説するページです。
 言葉だけの説明になっていますので,さらに詳しい説明が必要な場合は,その言葉を選択して,右クリックでさらに検索してください。

安山岩(あんざんがん)

 火山の活動によってできた岩の一種です。英名は「Andesite」で,アンデス山脈に多く産出することから名付けられていて,和名の安山岩もアンデス山脈の「アン」から付けられています。
 一般的にはプレートとプレートが重なる場所や、日本でも活火山周辺、過去に火山活動があった地域に多い火山岩です。霧島山でも白鳥山や甑岳など多くの山が安山岩質の山です。

成層火山(せいそうかざん)

 山頂火口からの溶岩の流出と火砕物質の放出が交互に行なわれ、それらが積み重なって出来上がった火山のことです。霧島山では白鳥山、甑岳、飯盛山、御鉢火山、高千穂峰、夷守岳などが成層火山です。

砕屑丘(さいせつきゅう)

 火口から噴き出した土砂が積もってできた丘のことです。

火口湖(かこうこ)

 火山の爆発によってできた火口に地下水などの水が溜まってできた湖のことです。白紫池、六観音御池、不動池、大浪池、大幡池など、霧島山にある池や湖はすべて火口湖です。白紫池と六観音御池は隣り合っていますが、湖水の高さが違っています。これは噴火によってできた水を通さない地層の高さが異なっているためです。

マール

 マグマ水蒸気爆発の激しい噴火で、噴出する溶岩や軽石などが火口から遠くに飛ばされたため周辺に高く積もらず、比較的標高が低いところにぽっかりと月のクレーターのように開いた火口です。霧島山の御池は約4600年前に激しいマグマ水蒸気噴火を起こしてできたマールです。霧島山では最も激しい噴火であったとされています。

更新世(こうしんせい)

 地質時代区分のひとつで、約180万〜160万年前から約1万年前までの期間を指します。
 霧島山は約34万年前にできた加久藤カルデラの南縁に更新世の終わりに近い約20万年前から完新世である現在までの火山活動でできた山です。更新世が終わる約1万年前に氷河期の中での寒い期間(氷期)も終わり、比較的暖かい期間(間氷期)が現代まで続いています。霧島山の中で氷期を経験した山にはプナ・ミズナラなどの温帯系の樹木が生き残っており、植物の多様性が観察できます。

火砕流(かさいりゅう)

 火山の噴火で噴出した、まだ熱い溶岩や火山灰が高温のガスと一体になって、周辺の低い場所に高速で流れ下る現象です。火砕流の温度は800℃から1000℃に達し、周辺の建物や樹木をすべて焼き尽くします。火砕流に埋まり蒸し焼きになった樹木は炭化木といい、新燃岳周辺で見ることができます。
 また、霧島山周辺にある都城市の関之尾滝、曽於市の桐原の滝、小林市の須木の滝(ままこ滝)は約34万年前に起きた加久藤カルデラの大噴火に伴う火砕流が自分の熱と重さで溶け固まった溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)でできています。火砕流は火口周辺だけでなく、大規模噴火になれば遠く離れた地域にも高速で到達するので注意が必要です。

活火山(かつかざん・かっかざん)

 おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山のことです。
 霧島山は現在でも新燃岳が噴火しており、生きている活火山です。日本国内には108の活火山があります。

火山砕屑物・火砕物(かざんさいせつぶつ・かさいぶつ)

 噴火で飛び出す岩石のかけらで,大きさや形によって分類されます。
【大きさの違い】
 直径が2mm以下のものを火山灰、2mm〜64mm(こぶし大)のものを火山礫(かざんれき)、64mm以上のものを火山岩塊(かざんがんかい)といいます。
【形態の違い】
 たくさんの穴があり軽いもので、白や黄色っぽい石を軽石(かるいし)、赤や黒色っぽい石をスコリアといいます。スコリアの色は含まれる鉄分の酸化の度合いで決まります。
65mm以上で爆発して飛び散ったマグマが空中で冷え固まったものを火山弾(かざんだん)といいます。火山弾は空中を飛行する間に、その形が紡錘状になったり、表面がパンの皮のような割れ目ができたりなど、特有な外形や表面の模様を持ちます。

マグマ

 岩石が溶けたもので、岩漿(がんしょう)ともいいます。
 マグマは岩石だけではなく、水や二酸化炭素なども溶け込んでいます。
 マグマに含まれる二酸化ケイ素(SiO2)が少ないマグマによる溶岩はねばりけが低く、固化すると黒い玄武岩となり、多い場合はねばりけが高く、白っぽい安山岩や流紋岩になります。
 プレートの沈み込み帯では地下100kmほどの深さでマグマができると考えられています。高熱で液体のマグマは、周辺よりも比重が小さいため、地下数kmの深さまで上昇し、マグマだまりを形成します。そこで冷えて固化すると花崗岩のような深成岩となりますが、マグマの供給が活発な場合は地表まで上がり噴出します。これが火山の噴火です。

溶岩(ようがん)

 マグマとほぼ同じですが、ふつうマグマは地下にあるものを、溶岩は地表に噴出したものを指しますが、溶解状態にあったものが冷え固まった状態の岩石も溶岩と呼ぶこともあります。

カルデラ

 カルデラ(caldera)とはスペイン語で「大鍋」を意味します。火山の活動によってできた直径2q以上の大きな凹地のことで、初めてカルデラが研究されたカナリア諸島での現地名により、この名がつきました。
 多くのカルデラは、大規模な噴火によって大量の火山噴出物が噴出したり、マグマが移動したことによってできた地下の空間に地表が陥没してできる、陥没形のカルデラです。カルデラの存在は、そこでかつて巨大噴火が起こったことを示しています。
 世界最大のカルデラと言われているのはインドネシアのトバカルデラで幅40km、長さ100kmにも及びます。日本最大のカルデラは北海道にある屈斜路カルデラです。霧島山のある南九州にも北から小林カルデラ、加久藤カルデラ、姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラというように、火山とカルデラが一直線に南西方向に並んでいます。霧島山に近い小林カルデラは約52万年前、小林カルデラは約34万年前、姶良カルデラは約3万年前に大規模な噴火を起こした後にできたと考えられています。

地層(ちそう)

 粘土、砂、礫(れき:砂よりも大きい、直径2mm以上の岩石のかけら)の砕屑物や火山礫、火山灰等の火山砕屑物、生物の遺骸(死体)などが、水や風の力により運搬され、堆積してできた地面や岩に、水平に広く、層状に積み重なっているもの。

ユネスコ国際連合教育科学文化機関
(こくさいれんごうきょういくかがくぶんかきかん)

 国際連合におかれた、教育、科学、文化の発展と推進を目的として、1945年11月に採択された「国際連合教育科学文化機関憲章」(ユネスコ憲章)に基づいて1946年に設立された国際連合の専門機関です。
 大地の公園である「ジオパーク」は、2004年からユネスコの支援を受けて世界中で取り組みがおこなわれています。霧島山を中心とした地域も2010年日本ジオパークに認定されました。

プレート

 地球は何枚かの岩盤(がんばん)で表面をつくっています。この岩盤のひとつひとつをプレートといい,一枚は100キロメートルほどの厚さがあります。
 プレートには、陸地をつくっている大陸プレートと海底にある海洋プレートがあり,少しずつ移動しています。
 南九州の西側の海底では、海洋プレートであるフィリピン海プレートが大陸プレートであるユーラシアプレートの下に沈み込む線状の谷があります。(南海トラフ)この沈み込みでたわんだユーラシアプレートが破壊された時に起きるのがプレート型の地震です。
 沈み込んだフィリピン海プレートはその深さが約100kmに達すると、マグマを形成します。マグマは周辺よりも比重が軽いため、地表近くに上昇しマグマたまりができます。マグマだまりから上昇したマグマが地表に噴出して火山が形成されます。このような理由で南九州にはプレートが沈み込む谷である南海トラフの西側に平行に火山の列が北東・南西方向にできています。これが南九州火山フロントです。韓国岳の頂上からは霧島山・姶良カルデラ・開聞岳・薩摩硫黄島など火山フロントの火山を直線的に見ることができます。

マグマ水蒸気噴火(すいじょうきふんか)

 マグマが地下浅い所で地下水と接触・混合し、多量の高圧水蒸気が発生して起きる噴火で、水の接触がないマグマ噴火や水蒸気噴火よりもより激しく爆発的となり、その規模も大きくなります。
 霧島山では白紫池や六観音御池でマグマ水蒸気噴火が起こったとかんがえられています。