霧島山は,九州南部,鹿児島県と宮崎県の両県にまたがって位置しています。
フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈みこむ海溝軸と平行に走る南九州火山フロントは,北から小林カルデラ,加久藤カルデラ,霧島山,姶良カルデラ,桜島,阿多カルデラ,開聞岳,鬼界カルデラ,薩摩硫黄島などの火山とカルデラが列を作っています。これが西日本火山帯(霧島火山帯)です。霧島山は加久藤カルデラの南縁にあり,長さ30km,幅20kmの長軸が北西〜南東方向に向いた楕円形の中に,大小20あまりの火山と火口湖が集まってできた火山の集合体です。
「霧島連山」や「霧島火山群」とも呼ばれるように,ひとつの山を指すのではなく,それぞれに名前の付いた山々を総称しています。
右下の図のように,北西から南東方向に延びた,楕円形の地域にあります。大きさは幅20キロメートル,長さ約30キロメートルに達します。
霧島の山々は,噴火の規模や種類により,さまざまな形をしています。成層火山,火砕丘,溶岩ドーム,山体崩壊による流れ山,爆裂火口,ピットクレーターや火口湖など,いくつもの火山の地形や成り立ちを観察することができる,まさに火山の博物館であるといえます。
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